「未来が私を救ってくれる」という幻想──本当の“今ここ”は、もっと奥にある

「未来が私を救ってくれる」という幻想──本当の“今ここ”は、もっと奥にある

私たちの人生にとって「今ここが大事」という言葉はよく聞くけれど、実際のところ、ほとんどの人は“今”にいません。頭の中ではつねに、過去か未来に飛んでいるんですよね。

エックハルト・トールはこう言っています。

何ものも「将来」私たちを解放してはくれない。
なぜなら、私たちを解放するのは、現在のこの瞬間だけなのだから。
そこに気づくこと、それが目覚めである。

この言葉は、とても静かなトーンなのに、本質をまっすぐ射抜いています。

■ 多くの人が“今”にいない理由

日常を見渡すと、ほとんどの人が “今起きていること” ではなく、

  • 起きてもいない未来の不安
  • もう終わった過去の後悔
  • 頭の中のシミュレーション
  • 「こうあるべき」という物語

に囚われて生きています。

だからこそ、「今ここ」と言われてもピンとこないし、
目標を持つことや結果を出すことが“現実的”だと思われていたりします。

でも、本当に現実と出会えるのは、今この瞬間だけなんです。

■ “今ここ”と“本当の今ここ”は違う

トールが言う「現在のこの瞬間」というのは、
単に“いまこの瞬間に起きている出来事”のことではありません。

「現在のこの瞬間を観ている意識」のほうなんですよね。

本当の今ここは、
出来事の奥にある“静かなスペース” のほう。

自分マスターでいう「Being」「観照の主体」がそこです。

■ 未来が私たちを救ってくれるように見えてしまう理由

「来年こそ落ち着くはず」
「これが叶ったら変われるかもしれない」
「いつか時間に余裕ができたら…」

こういう“未来待ち”は、多くの人が自然にやってしまうことです。
未来に希望を置いてしまえば、今を丁寧に生きなくてすむから。

でも、それは幻想。

未来であなたを解放するものがあるわけではなく、
今この瞬間に戻ることしか、扉はひらかない。

■ 今ここに戻るとは、“思考を止める”ことではない

よく誤解されるのが、
「今ここ=何も考えない状態」というイメージ。

実際は逆で、

思考や感情が動いていても、それをただ観られていれば“今ここ”。

観照の主体として在ること。
自分マスター講座でずっと伝えている、本質の位置です。

■ 未来の不安が消える瞬間は、“今ここ”しかない

未来のことを考えて不安を感じる時、
私たちは「不安そのもの」ではなく、

不安という想像を“今ここ”に持ち込んでいるだけ
なんですよね。

未来はまだ存在せず、
不安は「今の意識状態」が作り出しているだけ。

だからこそ、今ここに戻った瞬間、
不安や焦りはふっと緩んでいきます。

■ 「今ここ」を生きると、人生が勝手に動いていく

今この瞬間と出会えるようになると、

  • やるべきことが自然に見えてくる
  • 決断が軽くなる
  • 過去に囚われなくなる
  • 未来を過剰に握らなくなる
  • 本質からの行動が起きてくる

こういう変化が勝手に起きていきます。

目覚めとは“特別な何か”ではなく、
「今この瞬間に気づいている私」へ戻ることなんですよね。

そして、

“現在のこの瞬間”の奥に、
本当の「今ここ」がある。

目覚めは未来ではなく、
いつもこの瞬間から始まっています。


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