「自分を知る」とは、ラベルを増やすことではない──幻想(パレス)から抜け出すために

「自分を知る」とは、ラベルを増やすことではない──幻想(パレス)から抜け出すために

「自分を知る」って、どういうことだと思いますか?

心理テストやタイプ診断のように“自分というラベル”を集めることが「自己理解」だと思っている人も多いかもしれません。

でも、本当の意味での「自分を知る」とは、貼りつけたラベルを剥がしていくことなんです。

「ラベルを剥がす」という自己理解

「私は○○タイプ」「こういう性格だから」──そんなふうに自分を説明できると安心しますよね。

でも、その安心は“固定化された自分”を前提にしたもの。
それ以上でも、それ以下でもない“自分像”の中で生き続けることになります。

本当の自己理解は、自分が観ているモノを知ることから始まります。

「自分が観ているモノを知る」難しさ

けれど、これはとても難しいこと。なぜなら私たちは、無意識のうちに“認知の歪み”を持っているからです。

たとえば、相手のちょっとした反応を「嫌われた」と受け取ってしまったり、起きた出来事を「自分のせい」と思い込んでしまったり。

それは実際に起きたことではなく、自分の認知が作り出した世界なんです。

「ペルソナ5」の“パレス”と“マトリックス”

アニメ『ペルソナ5』には、「パレス」という概念が登場します。
それは、認知の歪みによって作り出される、その人だけの幻想世界。

私はそれを「マトリックス」と呼んでいます。

認知が歪んでいると、自分の中に生まれたパレスの中で生きることになり、
本当の世界から切り離されていってしまうのです。

「違和感」に気づくことが、出口になる

とはいえ、私たちは誰でも、時に歪んだ認識をしてしまいます。
大切なのは、違和感に気づいたときに自分を正当化しないこと。

「あ、いま私、パレスの中にいるかも」──そう気づけた瞬間、あなたの意識はすでに真実の世界を見つめ始めています。

対人関係こそ、最大の鏡

特に人との関わりの中では、相手もまた“自分のパレス”を通して世界を見ています。

だから誤解や衝突が起きるのは当然のこと。
けれど、焦らずに、こんがらがった糸を根気強くほどいていけば、少なくとも自分は、自分のパレスから抜け出せるんです。

結びに

「自分を知る」とは、新しいラベルを貼ることではなく、貼ってきたラベルを一枚ずつ剥がしていくこと。

そうして裸のままの“わたし”として世界を観るとき、
本当の自由とつながりが見えてきます。

自分マスター®︎講座で探究する「観る力」

自分マスター®︎講座では、「自分とは何か」「世界とは何か」を体験的に探究していきます。

認知の歪みやエゴの構造を観照し、幻想から抜け出す“真の自己理解”を取り戻す。
それは、人生を根底から変える最初の一歩です。