二元性を超えたところに在る──図と地のあいだに広がるスペース

二元性を超えたところに在る──図と地のあいだに広がるスペース

光と影、善と悪、表と裏──。
この世界はあらゆる二元性でできています。

でも、どちらかだけを選ぼうとすると苦しみが生まれる。
なぜなら、図と地はお互いに支え合って存在しているからです。

そのどちらにも偏らず、両方を包み込む“スペース”に気づいたとき、
私たちはようやく本当の自由に触れることができます。

図と地は、いつも支え合っている

図がなければ地は見えず、地がなければ図も存在できません。
見えているもの(図)と、その背景(地)は、いつもお互いを成立させ合っている関係です。

この関係は、人間の意識にも同じように働いています。

「正しい」「間違っている」
「成功」「失敗」
「幸せ」「不幸」

どちらか一方だけを保とうとするほど、もう一方が強く現れます。

どちらかだけを選ぼうとするから苦しくなる

この水平の世界では、どちらかだけを選ぶことはできません。
だから、「良いほう」だけを求めるほど、「悪いほう」への恐れが生まれます。

浮き沈みが激しい人ほど、良い状態に執着してしまい、
上がれば上がるほど、下がるときの落差に苦しみます。

でも、浮き沈みそのものが二元性。
だから、どちらかを避けようとせず、そのまま味わっていけばいいのです。

抵抗が苦しみを生む

起きたことに揺さぶられて抵抗する。
その抵抗こそが苦しみを生みます。

苦しいときに「これはダメだ」と拒否すると、
その瞬間、エゴは“善悪のゲーム”を再開してしまうのです。

でも、苦しみそのものが悪いわけではありません。
それを観照し、味わい尽くしたとき、
その背後にあるスペース──“地”が静かに